いま話題の霊感商法について

いまホットな話題として、霊感商法が騒がれています。全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、1987~2021年の35年間で全国の弁護団などに相談された、旧称「統一教会」の霊感商法による被害額は、約1237億円となっています。2021年は、合計47件の被害件数があり、その被害合計額は約3億300万円に至っています。被害件数は減ってきていますが、依然被害が発生している状況です。

霊感商法というのは、いかにも霊感があるかのように装い、因縁・カルマや霊が原因で「先祖が地獄に落ちる。」などと殊更に不安を煽り、その不安を解消するためには、壺や絵画などの物品の購入が必要であると執拗に説き、何百万、何千万という不当に高額な金額を提供させたり、そうした物品を売ったりする商法です。

2018年6月8日、消費者契約法が改正され、2019年6月15日に施行されています。同改正によると、「消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げるにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる」(法第4条第3項第6号参照)と規定されました。これにより、霊感商法について消費者は消費者契約を取り消すことができるようになりました。取消権の期限は法7条により、追認をすることができる時から1年以内又は該消費者契約の締結の時から5年以内となっています。               

同改正法により、霊感商法とはいえ、宗教とは関係なく、消費者契約の一種として、法律で規制され、取り消すことができるようになっています。マスコミでひと頃より話題になるケースは少なくなっていましたが、被害や相談事例は途切れずにあるようです。ただし、規制の対象は、物品等の販売等にかかる消費者契約です。宗教への勧誘は対象にはなっていませんので、注意が必要です。怪しい勧誘にはくれぐれもご注意下さい。